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新型インフルエンザの研究と対策の重要性

新型インフルエンザの研究と対策には、理系の役割は大きい。

人類は、新型インフルエンザに理系なしで立ち向かえるだろうか。理系が監視していなかったら、鳥インフルエンザは、もう新型インフルエンザウイルスになっているかもしれない。全世界の理系が、新型インフルエンザの発生を防ごうとしている。

やはり理系なしでは、新型インフルエンザと戦うのは難しい。

しかし、新型インフルエンザの研究と対策の十分な予算を理系の人材につぎこんでいるだろうか。予想される死者の数からは、莫大な予算をつぎ込んでも良さそうである。

一見すると医学研究だけが新型インフルエンザの対策になるようにも思われる。しかし、実際には、広範な理系による対策が必要なのではないか。

たとえば、都市も新型インフルエンザのことを考えて整備する必要があるだろう。ビルの構造など、建築の分野もそうである。安全に待避でき、消毒された危機管理室や、食料の備蓄室などのシステムも必要だろう。ライフラインや物流も、新型インフルエンザのことを十分に考えて対策を立てるようにする必要があるだろう。

このような対策に、戦略的に研究予算をつぎ込んでいくことが重要だろう。たとえば、物流が止まりにくくなることで、栄養状態の悪化を防ぎ、感染が1%減ったとすれば、仮に死者が50万人の場合、5000人もの命に影響してくることになる。

映画館などの公共施設や、公共交通機関なども、新型インフルエンザ対応になるように戦略的に多くの研究費、対策費をつぎ込む必要があるだろう。そのことで感染の広がりを10%減らせれば、仮に死者が50万人の場合、5万人もの命に影響してくることになる。

飛行機事故、電車事故で人が10人死ねば大変な大騒ぎになる。そのようなことが起きないよう、多くの予算をかけるだろう。それとの比較でいうと、新型インフルエンザの死者はおそらく莫大なものであり、それに戦略的に莫大な予算を投入しないというのは不合理に思われる。

日本は危機が実際に起こらないと動かない面がある。しかし、危機が起こってからでは遅すぎるのではないか。先を予想して、戦略的に予算をつぎ込み、研究と対策を行なうことが人命救助につながるのではないか。

危機管理のための研究と対策の予算を十分に取り、医療はもちろん、それのみならず、新薬の研究、ワクチン製造、抗インフルエンザ薬の備蓄、物流、交通、建築、通信などの研究と対策を進めることで、感染の広がりをある程度抑制しただけでも、相当の人命の救済につながるだろう。

そのためには医療の分野だけではなく、色々な分野に従事している理系が、新型インフルエンザのパンデミックを想定して研究と対策を進めることに対し、戦略的な予算の投入が重要なのではないだろうか。それが科学技術による人命救助となると思われる。
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